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2006.11

 
学習会「終末の迎え方」

林海庵の位置する東京都多摩市に、「多摩生活サポートセンター」というNPO法人があります。 先日、その「たまさぽ」の学習会にお呼び頂きました。(リンク:多摩生活サポートセンター)
学習会のタイトルは、「終末の迎え方」。人生の最終段階、そして終末をどう迎えるか、どう準備するか、というのがテーマです。
お話を頂いたとき、二つの意味でたいへん嬉しく思いました。一つはこうです。多摩市へ移転して一年が経ちました。ゆくゆく、地域に対して仏事以外でも(林海庵にできるところで)何らかの貢献をしたいと思っておりました。多摩市はニュータウンの大きな人口を抱えた市です。住環境や道路、病院などの施設はある程度整っていますが、これからの街づくりには、「人生の終末をどう迎えるか」という観点が絶対に必要です。何かお役に立てれば、と考えていましたので、こんなに早く、そのきっかけとなるご縁が頂けたことが嬉しかったのです。
もう一つです。これまでメールや電話を通じていろいろなご相談を受けて参りましたが、「ご先祖をどう供養すればよいか」あるいは「どういうふうに悩みを克服して生きていけばよいか」といったことが中心でした。「どのように終末を迎えようか」というテーマは、どちらかといえば少数派。しかしこのテーマこそ、まさに伝統仏教の出番といえます。

当日は、10人程度の参加者でした。初めに「自分らしい葬儀」というお話が出ましたので、自分が僧侶として葬儀をお勤めするときに、何をどう考えながら、とういうふうに進めていくか、という話をいたしました。評論家や葬祭業者、○○アドバイザーという方々のお話を聞く機会はあるでしょうが、寺院サイドの話というのは、皆さんあまりご存じないはずです。ご参考になるのではないか、と思いました。
訃報を聞いてから、どのようにお戒名を作成するか、また(枕経)、通夜、葬儀告別式、火葬収骨まで、それぞれの儀式の意味をご説明いたしました。生命が人の手を離れて移ろってゆく時に、仏式のご葬儀―仏のお導きがいかに頼りになるか…日頃感じていることを話させて頂きました。
さまざまなご質問が出ました。戒名のこと、お布施のこと、宗派のこと、改宗のこと、般若心経について、写経について、菩提寺がない場合どうするか、どういう心持ちで終末を迎えたらよいのか、等々。
「やはり一番大切なのは、どういう心で最期を迎えるか、です」という話で締めくくりました。
お役に立てたかどうかは分かりませんが、少なくとも私にとってはたいへん有意義な経験でした。また次の機会があることを願っております。

※ 11月25日(土)に、林海庵の開山落慶法要(新しくお寺ができたことをお祝いする法要)をお勤めします。現在少しずつ準備を進めているところです。恐縮ながら、お寺のスペースの関係上、ご縁のある皆さまをすべてお招きすることができません。どうぞご容赦、ご了解下さいませ。法要の様子はこのサイトでご報告いたします。