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2011.12

 
林海庵のお墓

このたび檀信徒向けの共同墓「林海庵のお墓」が完成いたしました。
林海庵には墓地がありませんでしたので、初めてのお墓ということになります。
昨年より「法然上人800年御忌記念事業」として取り組んできたものです。
あたたかいお墓、というイメージで計画し、石碑には自然石を使うことにしました。なかなかぴったりくる石が見つからず、思いのほか時間がかかってしまいました。石材店さんにはご苦労をおかけしましたが、おかげさまで満足のいくお墓が完成。

お墓の中に、骨壺で収めるスペースと土に還すスペースを両方つくりました。
墓碑開眼式の日に、まずは自分自身の先祖の遺骨を土に還そう、ということで、これまで長年お世話になった笠原家菩提寺のお墓から、先祖の遺骨9体を改葬することに。菩提寺ご住職のご了解を頂き、改葬手続(お役所の許可が必要)を済ませました。

さて改葬当日。
いざお墓から取り出すと、壺の中に水が一杯たまっています。壺内部で結露した水がどんどんたまっていくらしいのです。
古い素焼きの壺や、2年前に亡くなった母の壺は大丈夫でしたが、20年前に亡くなった父の方は水のせいでずっしりと重くなっています。
林海庵に持ち帰ったあと、畳の上に紙を敷いて遺骨を少しずつ並べ、乾燥させました。(父もまさか、再び畳の上で身体を伸ばせるとは思っていなかったことでしょう)

数日かけてすべての遺骨をよく乾燥させてから、今度は乳鉢で細かく砕きます。お墓の中のスペースが限られているので、速く土に還すために粉末状にするわけです。なむあみだぶつ、と念仏を称えながら乳棒を回し、遺骨を砕きます。何とも曰く言い難い、お伝えしようのない感覚です─「家族の遺骨を自らの手で粉末状に砕く」。

こうして墓碑開眼式、納骨式も無事に終わり、「林海庵のお墓」がスタート。
今年一番の体験でした。
さて皆さまにとってはどのような年でしたか。(ちょっと唐突ですが)

ともあれ来年が、どうか佳き年でありますように。■