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2013.11

 
お墓と仏壇

このところ「お墓は不要、樹木葬にしたい」「仏壇はいらない」という話をよく聞きます。
跡を継ぐ方がおられないならともかく、そうではない場合でもこういう人がいます。どうしてお墓や仏壇がいらないと思うのですか、と尋ねると、
「お墓を建てても子どもが守ってくれないと思う」
「子どもに負担を残したくない」
というお答え。
なるほど、少子化のこの時代、ご先祖を守るのも昔のようにはいかないかも知れない…しかし、ちょっと待って下さい。
林海庵には境内墓地がありません。寺に見える方は、ほぼ100%が霊園にお墓をお持ちです。もしくはまだお墓がまだ決まっていない方です。
霊園にお墓を持つのであれば、お金がかかるのは最初だけです。(管理費用やお花代お線香代は別として。)「お墓を守るのは大変」ということはありません。
お仏壇はどうでしょう。仏壇を守るのは大変でしょうか。朝晩お線香を点してお参りするのは負担でしょうか。もし自分の親の位牌がそこに祀られているならば、負担とは思わないでしょう。亡きお父さんやお母さんと心を通い合わせることのできる大切なひとときです。
ここで申し上げますが、私たちがお墓や仏壇を守るのではありません。お墓や仏壇が私たちを守ってくれるのです。お墓や仏壇が子どもたち、孫たちを守って下さるのです。
そのように考えて下さい。「お墓や仏壇を残さない」ということは、子どもや孫の祈りの場を奪う事になります。厳しい時代を生きていく上で、祈りのひとときがいかに私たちの心を支えてくれるか、子どもや孫を支えてくれるか―そこのところをよくよくお考え頂きたいのです。
後を継ぐ方がいない、家族がいないという人も同様です。仏壇をたたむときは状況に応じて何とでもなります。命ある間、日々の祈りの場を持つことはとても大切なのです。お仏壇に守られて生きることがいかに力になるか…。
一人一仏壇。
―お勧めいたします。◆