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2014.07

 
平和について

武力によって平和がもたらされることはありません。
お釈迦さまが説かれた通りです。
先の戦争で平和がもたらされたでしょうか。日本人の戦死者は200万人以上といわれています。このうち原爆で亡くなられた方は20万人以上。他の国でも多くの命が失われました。
戦後の日本は平和の内に経済繁栄を謳歌してきたように見えます。しかしそれは表面の話です。私たち日本人の心には深い傷がうずいています。
仏教は心を見ます。自分の心を見つめます。そこには敗戦の悲しみと多くの命を失った痛みが深く刻まれています。
戦争を知らない世代、戦後に生まれた世代であっても、この悲しみと痛みをもっています。それは親から子へ、世代から世代へと引き継がれるのです。
心の深みに傷をかかえていると、それは何かの拍子に怒りに転化します。怒りは暴力性へと展開してゆきます。
しかし実際に暴力的な行為(行動のみならず発言も含みます)を行なえば、相手が個人であろうと他国であろうと、新たな傷を生むだけです。

武力によって平和がもたらされることはありません。

私たちはまず自分の心の底にある悲しみと痛みに気づき、沈黙の内に祈ることが必要なのではないでしょうか。
そして、耳を澄ますのです。
戦争で亡くなられた無数の方々…どういう声が聞こえてきますか。
「痛い」
「苦しい」
「無念だ」
「どうして」
こういう声でしょうか。あるいは、
「今度こそ戦争に負けない国をつくって欲しい」
こんな声でしょうか。
それとも、
「戦争のない世界、軍隊のいらない世界をつくって欲しい」
このような声でしょうか。

私たちは耳を澄ませなければなりません。
本当のところ、私たちは何を託されているのでしょうか。今の有権者の声ばかりでなく、先人の「声なき声」に耳を傾けてこそ、本当の自由主義、真の民主主義と言えるのではないでしょうか。◆