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Q&A 55

質問55

仏事一般
菩提寺が「本堂を建て直す」そうで、「寄付のお願い」が来ました。気が進みません。寄付をしなければいけないのでしょうか。ふだん盆暮れの付け届けやお彼岸でお参りするたびにお布施を包んでいます。その上に多額の寄付をする経済的余裕はうちにはありません。
例えば一般の商店が店を改装するときに、お客さんに寄付をお願いしますか? そんなことはあり得ません。お寺だけが特別なのでしょうか?
〈回答 55〉 お寺の経営面をみますと、多くの場合、檀家の方々のお布施等が収入の主たるものだと思います。また檀家さんも「お寺のためならば」と、功徳を積む機会として、また責任感をもってお寺を支えてきました。ですから、「一般の商店」とは確かに事情が違います。
一般の商店がお店を改装する場合、その資金はどこからやってくるでしょうか。それまでの利益を蓄積したものが充当されるか、あるいは今後の売り上げ増を見込んだ中から(銀行から借りるなどして)手当てをすることになるでしょう。いずれにしてもその資金は商品の価格の中に含まれていることになります。
しかし、お寺の場合はそうではありません。本堂を建て直す、という大きな事業であれば多額の資金が必要ですが、それを全額、ふだん頂くお布施などから出すことは困難です。もちろんお寺の側もある程度は負担するでしょうが、不足分は檀家さんに頼らざるを得ません。
ふだんお寺とどういう関係を持たれていますか? 住職さんと親しくお話をされたことがありますか? ご先祖の供養でお世話になっているという感じを持っておられますか? そういったことも、「寄付のお願い」が来たときの印象に大きく影響するでしょう。
私としては、お寺の側は「こういう時代に檀家さんに負担をお願いするのは本当に申し訳ないが、お寺を維持するためにはどうしても必要なことなので、なんとかお願いしたい」という気持ちで、また檀家さんの方は「今までお世話になってきたし、これからもお世話になるのだから、ここは何とかして差し上げたい」という気持ちでことが運べばいいのだがなあ、と思います。
ただ、檀家さんの側にもそれぞれの経済事情がおありでしょうから、「いくらいくらお願いします」と割り当てがきて、どうしてもそんなに寄付できないということであれば、率直にお寺にご相談されてよいと思います。

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