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Q&A 162

質問162

仏事一般
テレビで、「お墓参りの時に、墓石に水をかけてはいけない」という話をしていました。今まで必ず水をかけてお参りしていたのですが、これはいけないのでしょうか?
〈回答 162〉 墓石に水をかける理由は、
  • 単に墓石を洗い清めるため
  • 「水を供養する」の意味で、水を手向ける
  • 「灌頂(かんじょう)」という、頭頂の部分に水をそそぐ密教の儀式に関連している
などが言われています。
私が教わったところによれば、「単に墓石を洗い清める」、つまりお墓掃除の総仕上げの意味がもともと。実際に墓石に水をかけて合掌すると、不思議と「ああ、お参りした」という気分になるので、何となく定着したのでしょう。
水をかけてはいけない、という理由がご質問の文面では分かりませんが、「墓石が傷むから」という話を聞いたことがあります。雨風にさらされることが前提なのに、「傷むから水をかけぬように」というのも妙です。それに石といっても諸行無常、長い年月が経てばいずれは傷んでゆきます。(話は飛びますが、「お線香の煙やロウソクの煤でお仏壇が汚れる」から全部電気式のものにする、という考え方にも私は疑問を感じます)
また「ご先祖の頭から水をかけるのは失礼」というのも聞いたことがあります。しかし、墓石は別にご先祖の姿の象徴ではありませんから、これも理由にはなりません。

したがって、結論…今までのように、墓石をきれいに掃除したあと、どうぞたっぷりと水をかけてお参りなさって下さい。

(追記) 知り合いの石材店の方に尋ねてみました。その方のお話を紹介します。
  • 水をかけて、墓石が傷むことはない。但し、すでに相当傷みが進んでいる墓石の場合、冬場などにかけた水がしみ込んで、凍結し、膨張して石の傷みが進む、ということはなきにしもあらず。
  • 水をかける理由は、供養のために水を手向ける、ということと、樒(しきみ)の香りを墓石につける(土葬の場合、狸などがお墓を掘り起こさぬよう、毒素がある樒をお墓の側に植える風習があった)というのが由来であろう。後者の場合、水皿に樒の葉を浸し、葉についた水を墓石にふりかける。
由来については諸説あるようですが、水をかけること自体は問題なさそうですね。
但し、石材店の方が教えて下さった注意点。「故人が好きだったから」という理由で、墓石にお酒をかける方がいますが、その場合はお気をつけて。お酒に含まれる糖分が酸化し、石の鉄分と反応して墓石が変色(黄ばむ)することがあるそうです。「お酒をかけてもよいが、あとでよく石を洗っておいたほうが良い」ということでした。