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Q&A 167

質問167

浄土宗
 お尋ねします。「12月16日は『念仏の口止め』の日。正月の神様(年神様)は念仏が嫌いであるとして、この日の翌日から1月16日の『念仏の口明け』までは念仏をとなえないというしきたりがあり、この日にその年最後の念仏を行なう。」
上記の記載を諸所で見て調べたところ、貴寺では12月16日以降でも念仏会を開催しておいでのことを拝見しました。上記につきましては、昔のこと、または宗派によるものなのでしょうか?
〈回答 167〉 このお話は初めて聞きました。仰天いたしました。
ご存知かもしれませんが、念仏行は「行住坐臥、時節の久近を問わず、念々に捨てざるもの」(善導大師『観経疏』)でして、本来は、眠るとき以外のすべての時間、1年365日のものです。ですから「念仏をとなえてはいけない期間」はありません。
12月から1月のその期間、葬儀・法事や修正会ももちろんお念仏を中心にして勤められますし、浄土宗の伝宗伝戒道場(新僧侶養成の道場)は12月上旬から下旬にかけて毎年開かれます。
私どもからすると「念仏の口止め」というのはまったくあり得ないお話です。「その1ヶ月間は呼吸をするな」と言われるに等しいことです。
想像するに、
  • 念仏は亡者供養のためのものだから、新年を迎えるおめでたいときにはふさわしくない
  • この期間は、正月の神様にお仕えすることに集中すべきであり、念仏もやめた方がよい
という俗信が、一部の地域にあるのかも知れません。念仏信仰の観点からみれば、この考えはまったく誤っている、と言わざるを得ません。

私は浄土宗ですが、浄土真宗・時宗にもおそらくそうした考え方はないと思います。
一部の地域で言われてきたことではないでしょうか。