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コラム倉庫

2006.06

 
四誓偈(しせいげ)その6

今月はお経の解説です。前回は昨年(2005年)の11月でした。通してお読みになりたい方は、お手数ですがこのコラム倉庫から該当分を選んでご覧下さい。

さて、「四誓偈」の続きです。

 為衆開法蔵 広施功徳宝 常於大衆中 説法獅子吼
(いーしゅうかいほうぞう こうせーくーどくほう
じょうおーだいしゅうじゅう せっぽうしーしーくー)
仏は、人々のために教えの蔵を開き、功徳の宝を広く施し、常に人々の中において、獅子が吼えるように堂々と法を説かれる。

 供養一切仏 具足衆徳本 願慧悉成満 得為三界雄
(くーよういっさいぶつ ぐーそくしゅーとくほん
がんねーしつじょうまん とくいーさんがいおう)
仏は、他の一切の仏を供養し、諸々の福徳をそなえ、誓願と智慧をすべて成満し、三界の雄となられた。

 如佛無礙智 通達靡不照 願我功慧力 等此最勝尊
(にょーぶつむーげーちー つうだつみーふーしょう
がんがーくーえーりき とうしーさいしょうそん)
仏の自由無碍なる智慧は、どこまでも行き渡って照らし尽くさないところはない。 願わくは、わが功徳と智慧の力も、この最勝の仏と等しくあらんことを。

 斯願若尅果 大千応感動 虚空諸天人 当雨珍妙華
(しーがんにゃっこっかー だいせんおうかんどう
こーくうしょーてんにん とううちんみょうけー)
この願いが遂げられたならば、全宇宙はまさに感動して揺れ動き、天界の神々も、珍妙の華を雨のごとくふらすであろう。

修行僧ダルマーカラは、このように仏(世自在王仏)の功徳を讚えて、自分もそのようでありたい、必ずこの誓いを達成しよう、と宣言します。
「四誓偈」の冒頭に、「誓不成正覚」という言葉が三度出てきました。それにこの最後の誓い―「願わくは、わが功徳と智慧の力も、この仏と等しくあらんことを」を加えて「四誓偈」と呼んでいるわけです。

経文の細かい内容は以上の如くですが、この四つの誓いは、いわば四十八願をまとめたもの。つまりそこには念仏往生の誓願も含まれているわけで、この「四誓偈」は浄土宗ではとても大切に読誦されています。
「四誓偈」に限らず、お経は声に出して読むことが肝心です。初めは意味が分からなくても構いません。声に出し、口(の筋肉)が経文を覚え、それが身体の中に響き、耳からも自分の声が身体に入ってくる…リズムに乗りながら繰り返していると、自然に暗記してしまいます。

そして最後に、一番大切なこと―浄土宗では、経典読誦はお念仏を助ける行です。あくまでも中心は、声に出して「なむあみだぶ なむあみだぶ…」ととなえることです。お経の解説を掲載しておきながら何ですが、経文の意味は分からずとも構いません。
仏の世界=極楽浄土に強い憧憬の心をもってお念仏をとなえれば、成ぜずということはないのです。

「智者のふるまいをせずして、ただ一向に念仏すべし。」
(法然上人)