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2008.01

 
新年─仏心とは、大慈悲これなり

新年を迎えました。
今年もひととき、ひとときを大切に過ごしてゆきたいと思っております。
どうぞ宜しくお願いいたします。


 玄関のお正月のお花
(草月流・吉良靜香作)
仏教では慈悲の心を大切にします。
「慈」とは、もともと友愛を意味します。相手に歓びや安楽を与え、心を豊かにして差し上げることです。
「悲」とは、相手の痛みに共感し、この苦しみを何とか消し去りたいと願うことです。
素朴な友愛、思いやりの心は、時として人を窮地から救ってくれます。
ちょっとした一言や、笑顔を交わしただけで気分が明るく変わった、という経験は誰にでもあるでしょう。

しかし、私たちの心には「エゴ」というやっかいなものがつきまとっているので、慈悲の心も汚されがちです。
「私はあんなにしてあげたのに…」
「あなたは、こうすればそんなに悩まなくてもよいのに…」
私たちはつい、こう考えてしまいます。
そうしたとき、中心となっているテーマは、「あなたの幸せ」ではなく、「私の満足」です。


 門松―右
(聖蹟桜ヶ丘・草苑作)

仏の慈悲心は、何かもっと根本的に異なるものです。
それは、遥かなる高みから降り注いでくるもの─。
それはまた、遥かなる深みから湧き上がってくるもの─。
それは、私たちを覚りの世界に導こうという大きな心です。

これが、仏の大いなる慈悲の心です。
この大慈悲に包まれて、今年もお念仏を重ねて参りましょう。

「私たちが阿弥陀仏を礼拝すれば、
阿弥陀仏はその姿を見て下さる。


 お寺の掲示板から
私たちが阿弥陀仏の御名をとなえれば、
阿弥陀仏はその声を聞き取って下さる。
私たちが阿弥陀仏を心に念ずれば、
おなじように阿弥陀仏も私たちを念じて下さる。」
(善導大師)

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